振動感覚に関する計測


体性感覚 −平成12年度 NEDO20人計測−




1.目的


前腕部と身体各部位の振動感知のしやすさを計測する。

前腕部については、着衣のまま、前腕部内側から振動板を押し当てて、感知しやすい周波数を計測する。

身体各部については、振動マッサージ機能つきリクライニング椅子を用いて振動に関する評価を計測した。


2.計測装置


(1)前腕部の振動感覚


スピーカコーンから振動を取り出し、周波数と振幅を変えて提示できる装置を用いて、感知しやすい周波数を調べる。

選択できる周波数は8、16、32、63、125、250Hzであるが、計測時に音が発生するため250Hzは用いていない。


(2)身体各部の振動感覚


市販の振動マッサージ機能つきリクライニング椅子を使用した。

椅子の振動特性 「振動していることがわかる強さ」「振動をお知らせに使う場合の強さ」「心地よい強さ」の振動が得られる電圧を計測し、電圧に対応する振動特性を振動計(VIBRATION CHECKER MD-250S サン電子製)で計測した。

この振動計はピックアップを約2kgの力で計測面に押しつける必要があるため、椅子の表面から背中、腰、太股の振動子上を押しつけて計測した。


3.計測方法


(1)前腕部の振動感覚


(1) 着衣のまま、振動板を前腕内側に当てる。

(2) 振動板と腕との接触状態を変え、最も振動を感知しやすい位置で計測を行う。

(3) 計測内容は、各周波数について「振動していることがわかる時の強さ」「ほかの仕事をしていてもお知らせであることに気づく強さ」および、「最も気づきやすい振動数」の3項目。


(2)身体各部の振動感覚


(1) リクライニング椅子に座り、背もたれをもっとも楽に座れる角度に合わせる。

(2) テスターで振動装置用への供給電源電圧を変えながら「振動していることがわかる時の強さ」「お知らせに使うとした場合に適当と思う強さ」「心地よい強さ」になったときに報告してもらい、そのときの供給電圧を記録する。

(3) 計測部位は、肩、腰、太股の裏の3ヵ所とし、これらの組み合わせについても参考値として計測した。