濡れ感・湿り感


体性感覚 −平成12年度 NEDO20人計測−




1.被験者数

年代 合計 20〜29 30〜39 40〜49 60〜69 70〜79 80〜89
合計 20 4 3 1 3 5 4
男性 10 2 2 0 2 2 2
女性 10 2 1 1 1 3 2


2.計測方法


水分含有量の異なる台ふきんを用いて、乾き具合、湿り具合の評価と、湿り感覚の正確さを計測する。詳細は計測方法を参照のこと。


3.計測結果


(1)水分含有量と濡れ感、湿り感


図に水分含有量と乾いている感じ、湿っている感じの評価結果を示す。

この図は乾いている限界の水分含有率、湿っている限界の水分含有率、濡れていると感じ始める水分量を水分含有率ごとにまとめたものである。

評価結果をまとめると次のようになる。

1)乾いていると感じられる水分含有率の限界は10%程度であり、これを越えると乾いていると感じる人は非常に少なくなる

2)湿っていると濡れているという感覚の差は微妙で、明確な差はないように思われるが、水分含有率が40%を越えた場合に、湿っているという表現をした被験者はいなかった。


(2)乾いている順序の判定


乾いた順番に並べてもらったときに、ミスをした人の割合を図に示す。

結果をまとめると次のようになる。

1)水分含有率が小さい間はほとんど判定ミスをしないが、水分含有率が上がるにつれてミスの割合が増加しており、湿っている中での水分量差の識別は難しいことが分かる。

2)若年者、高齢者の差は見られなかった。


(3)計測結果から


1)湿り感および湿り具合の判別については若年者、高齢者の差が見られなかった。今回の計測では、短時間の手触りで判定したものであり、常時肌に接している場合とは異なると思われる。これらについては別途、検討が必要である。

2)湿り感は温度により影響を受けるため、今回の計測では被験者来所前に水分調整を行ったテストサンプルを密封し、計測開始までの約5時間計測室に置き、水分の偏りをなくすとともに室温と同じ温度にするようにした。これにより、部位による湿り感の違いや、サンプル間の温度の違いはなくなったと考えられ、計測方法としては問題ないと思われる。

3)湿り具合の判別方法として、最初に、乾いている、湿っている、濡れているに大別し、その後、それぞれのグループ内で湿り具合の大小を判別してもらった。今年度の計測に2回参加された複数の被験者については大別する方法と10枚を乾いている順番に並べる方法の2種類でやってもらったが、大別する方が正確な判定結果となった。