年代別の押しボタン入力速度と入力ミスの状況


動作特性 −平成10年度 NEDO533人計測−


 

1.被験者数:533名(有効データ数は計測項目により若干異なる。)

 

年代

合計

16〜19

20〜29

30〜39

40〜49

50〜59

60〜69

70〜79

80〜

合計

533

28

96

95

71

50

82 91

20

男性 259 13 50 40 29 21 48 45 13
女性 274 15 46 55 42 29 34 46 7

 


2.計測方法


大きさと取付ピッチの異なる押しボタン装置で、発光ダイオードにより指示されるボタンを次々に押していき、20秒間に押せる回数、正確さを計測するとともに、押しやすさの内観報告を聴取した。


3.計測結果


(1)年代別の押しボタン入力数


図に年代別の正答入力数を示す。図63に見られるように、正答入力数は年代、性別による差がある。

検定の結果、所定時間内の正答入力数は、年代、性別に有意水準5%で有意差があり、年代が高いほど正答入力数が少なくなり、また、男性よりも女性の正答入力数が少ないという結果となった。


(立位)                              (座位)




図 年代別正答入力数



(2)年代別の押し間違いをした人の割合


図に押し間違いをした人の割合を年代別に示す。検定の結果、押し間違いをした人の割合は、年代に有意水準1%で有意差があり、年代が高いほど押し間違いをする人が少ないという結果となった。


(立位)                    (座位)




図64 押し間違いをした人の割合


操作終了後の内観報告で、類似する日常生活動作として、若年者の多くがキーボード操作を挙げたのに対し、高齢者の大半は家電製品を挙げた。キーボード操作では時間内に多数の入力を行い、入力ミスがあっても後で修正するのに対して、家電製品ではミスをしないようにゆっくりと確実にボタンを押すのが通例であり、このような差が結果に現れている。

なお、姿勢別では、押し間違いをする人の割合は、立位の方が座位よりも高かった。


(3)年代別の入力時間


図にダイオード点灯から入力までの所要時間の度数分布を示す。

年代が高くなるにつれてピークが右にずれていき(時間がかかり)、裾が高くなっている。しかし、1.3秒あれば、全ての年代において95%以上の被験者が入力できるという結果となった。


立位・男性                 座位・男性




立位・女性                 座位・女性




図 年代別押しボタン入力時間度数分布