持ち運んだ重さの計測結果


動作特性 −平成10年度 NEDO20人計測−



1.被験者数

  高齢者:12人(60代 3人、70代 5人、80代 4人)

  若年者: 8人(20代 4人、30代 4人)

  80代、20代、30代は男女各2人、60代、70代はいずれも男性2人

 

2.計測内容

 

 荷物の持ち運び動作の計測で持ち運んだ重さは、長時間持ち歩いても全く苦にならない重さ、少し重いが日常的に持ち歩いている重さ、両手で持って全く苦にならない重さ、少し重いが日常的に持ち運んでいる重さの4種類である。

 それぞれの計測ごとに課題に対応する日常行為を想定し、それに相当する重さに調整してもらい、使用した容器の種類と数、重さを記録する。次に、荷物を歩行路他端の台上に置いて戻り、運んだ感じが想定した重さと比べてどうであったか、内観報告をとる。続いて、置いてきた荷物を取りに行き、元の場所へ持ってきてもらい、運んだ感じが想定した重さと比べてどうであったか聞く。

 2回目の内観報告が「当初予想したくらいの重さ」のときは、その重さを確定値としたが、当初予想より重かったり軽かったりしたときには、想定した重さがどの程度であったか、容器を増減して重さを調整してもらい、修正値を確定値とした。

 

3.計測結果

 

 計測結果を図に示す。

 

 

 

 図からわかるように、持ち運びする重さは性差による違いが大きい。

 

 片手で軽く持ち運びできる重さは1〜2kg、少し重いが片手で問題なく持ち運べる重さは2〜3kg、両手で軽く持ち運びできる重さは3〜4kg、少し重いが両手で問題なく運べる重さは4〜6kg程度であることがわかる。

 

 したがって、たとえば中にものが入った状態で3kg程度になる製品の場合、両手でも持てるような配慮が望まれることになる。