高齢者のIT利用特性データベース

IT機器のイメージ

IT機器および機器イメージに関する調査

■計測目的と計測内容

テクノロジー弱者である高齢者がIT機器を利用する際に感じる問題点を把握するため、2つのインタビュー調査を行った。

1)IT機器および機器イメージに関する調査、2)IT機器が持つ機能および機能イメージに関する調査-である。

1)IT機器および機器イメージに関する調査 日常的に接するIT機器の類型や位置づけをユーザーとしての高齢者の視点から明らかとするため、日常的に接する可能性のあるIT機器を対象に、デプスインタビューを実施した。 対象者は、すべての調査・実験に共通する対象者としてリクルーティングされた88名の中から、年代層別に36名を選出した。内訳は、高齢者層(60歳以上)13名(男性6名女性7名)、中高年層(50歳代)11名(男性6名女性5名)、若年層(20歳代)12名(男性6名女性6名)であった。

■計測手順

45機種のIT機器について認識率をチェックした後、その中の31機種を対象にして、「使う」という言葉をキーワードにしたデプスインタビューを実施した。インタビューは、1名の対象者にインタビュアーと記録者が1名ずつ(計2名)で対応した。

基本フローは以下の通りである。

1)ウォーミングアップ 時候の挨拶、インタビュアーの自己紹介などからインタビューをスタートさせ、家族構成、日常の様子、仕事、趣味、健康状態、地域との関わりなどを把握する。 45機種の一覧表を提示し、「知っているもの」を判別してもらい、IT機器の認識率を把握した。

2)セッション1 45機種の中から、デプスインタビュー用に選択した31機種のカードを提示し、「使っているもの」と「使っていないもの」の2つのグループに分けてもらった。このとき「知らないもの」はインタビューの対象から省いた。また、自分では操作できないが普段使用しているものは「使っているもの」に分類した。

3)セッション2 「使う」というキーワードに関連して、「使える-使えない」と「使いたい-使いたくない」という2つの評価軸を設定し、「使っているもの」と「使っていないもの」に分類されたカードを、それぞれの分類ごとに、この2つの評価軸を直交させた平面上にマッピングしながら、日常におけるそれらの機器の使い方や問題点、マッピングの理由などを掘り下げた。 このとき、「使える-使えない」の評価軸には、うまく使える度合いや使うことに関する自信の度合い、支障なく使える度合い、不自由なく使える度合いなどの意味を含ませた。

4)セッション3 各象限ごとに、マッピングされた機器の中から、その象限における最も代表的な機器を選択し、その後、各象限に位置づけられたすべての機器について代表性の判断を行い、その理由を掘り下げた。

5)データの記録 インタビューを通じて得られたコメントは、作業に用いたシートへの書き込みとカセットテープへの録音により記録し、その後、すべてのコメントをセンテンスごとに書き起こしたリストを作成した。

■計測結果

IT機器の認識率 調査1で調べたIT機器の認識率を年齢層間で比較した。45種類のIT機器に対する認識率は全調査対象者の平均値で83.6%であった。これを層別にみると、高齢者層(79.3%)がわずかではあるが、他の層に比べて値が低くなっている。この認識率を機器別にみると、年齢層別の認識率にばらつきの大きいものがあり、すべての年齢層にわたって広く認識されている機器と特定の年齢層にだけ認識率の高い機器があった。

■参考

高齢者のIT利用特性データベース構築等基盤設備整備事業(抜粋:IT機器の利用に関する問題点)

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