色の識別の計測


視覚機能 −平成10年度 NEDO121人計測−



1.目的

 
明るさが変化したとき、色がどの程度識別できるかについて計測した。


2.計測条件


この計測では、赤、黄、緑、青の4色がどの程度認知できるか、明るさを変えて計測した。

具体的には、赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、青緑、青、紫、暗い灰色、明るい灰色の10種類の色標を合計20枚貼付したテスト板から、指示された色と思われる色標全てにマークを付けてもらい、見落とした数、間違って貼付した数と間違った色を記録した。

明るさは、ほとんど明かりがない0.1lx、補助照明のみの場合の1lx、屋内の薄暗い場所の10lx、一般家庭屋内の100lxの4種類とし、照明装置には高演色性の蛍光灯を用い、反射光により計測した。

              表 色の識別計測条件

視距離 視標面照度 呈示時間 テスト板 矯正条件
近接(拘束なし) 0.1 lx 20秒以下 12枚 生活視力(両眼)
近接(拘束なし) 1 lx 20秒以下 12枚 生活視力(両眼)
近接(拘束なし) 10 lx 20秒以下 12枚 生活視力(両眼)
近接(拘束なし) 100 lx 20秒以下 12枚 生活視力(両眼)


3.計測装置


計測室と照明装置には前述の3m視力計測装置を用いた。ここでは詳細は省略する。テスト板の提示は計測室内に設置したテーブル(800mm(H))上で行った。

使用した色標は、赤(5R4/14)、橙(5YR7/14)、黄(5Y8/14)、黄緑(5GY7/10)、緑(5G4/10)、青緑(7.5BG4/8)、青(10B4/10)、紫(7.5P4/10)、暗い灰色(N4)、明るい灰色(N6)である。

テスト板1枚に、この色標を合計20枚貼付したが、その内、選定対象の色標はそれぞれ1枚、4枚、7枚含まれるように作成している。1つの計測条件で、選定する色が赤、黄、緑、青の4種類あるため、テスト板は12種類を1組とし、明るさ(0.1lx,1lx,10lx,100lx)ごとに変えるため4組製作した。なお、色標の配置は乱数表により決定した。

表にテスト板の種類別、色標貼付枚数を示す。

表 テスト板の種類別、色標貼付枚数

NO R YR Y YG G BG B P N4 N6
1 1 1 2 2 2 2 2 2 3 2
2 4 2 2 2 2 2 2 2 1 1
3 7 1 1 1 1 1 1 1 3 3
4 2 2 1 2 2 2 2 2 3 2
5 2 2 4 2 2 2 2 2 1 1
6 1 1 7 1 1 1 1 1 3 3
7 2 2 2 2 1 2 2 2 3 2
8 2 2 2 2 4 2 2 2 1 1
9 1 1 1 1 7 1 1 1 3 3
10 2 2 2 2 2 2 1 2 3 2
11 2 2 2 2 2 2 4 2 1 1
12 1 1 1 1 1 1 7 1 3 3


4.計測方法


(1) 測定手順


・色標と呼称の確認 → 0.1lxの測定 → 2分間の順応 → 1lxの測定 → 2分間の順応 → 10lxの測定 → 2分間の順応 → 100lxの測定


(2) 色標と呼称の確認


・室内の照明下でテストに使用する全色を貼付したテスト見本板を提示し、各色の呼称を確認する。
・色標の色を答えてもらい、呼称を正しく把握しているかどうか、確認する。


(3) 0.1lxの測定


・暗室内での被験者の位置、使用矯正具を確認する。
・2分間の順応を兼ねて計測前の教示を行う。
・次のテストの指定色を確認した後、テスト板セットの最上部にある無地のカバーを外し、被験者に指定色(例えば赤色)の色標すべてにマークを貼付してもらう。(制限時間は20秒)
・マーク貼付が完了したら、次のテストの指定色を確認した後、マーク済みのテスト板を取り、被験者に次のテスト板で選択する色を指示する。
・以下、同様にしてテストを行う。
・12種類のテスト板すべてが終了したら、次のテスト板セットを準備する。


(4) その他の照度での測定

・視標面照度を1lxに調整する。
・2分間の順応の後、0.1lxと同様の手順で測定する。
・以下、10lx、100lxの順で、同様の測定をする。


(5)結果の記録と終了


・計測漏れがないことを確認して、被験者に終了を通知する。
・計測終了後、テスト板に貼付されたマークを確認し、指定した色とは異なる色を選んだ場所(お手つき)と指定した色を選ばなかった場所(見落とし)を記録・カウントし、これらを誤答数として記録する。