高齢者身体機能データベース

視覚機能実計測データ

加齢に伴い身体機能は様々な変化を起こし、それにより生活上の不具合が出てきます。視覚は情報収集の中心となる能力ですが、比較的若い年齢から機能の低下が現れ、日常生活の中でも最初に不便さを感じる項目です。

以下に取り上げた項目は、いずれも高齢者の日常生活と密接に関連する項目であり、設備や機器等の操作部の設計、空間デザインへの応用をはじめ、いろいろな面で活用できる項目となっています。

なお、この結果は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託調査研究やHQLの自主計測により得られたものであり、計測方法と共に計測結果を紹介しています。

ここに掲載されている内容は無償ですが、HQLの自主計測により得られた結果の内、ここに紹介する以外の内容については「視覚機能計測結果報告書」での提供(有償)となります。詳しくはこちらをご覧ください。

項目 内容・概要 計測方法と計測結果
明るさ変化と生活視力 視標面の明るさが変わったときの3m視力、30cm視力を示しています

高齢者の生活視力は若年者より相当低くなっています。高齢者は老眼の影響で遠くがきっちり見えるように矯正すると近くを見るのがつらくなるなどの現象が出るため、日常生活で不自由がない程度の視力で生活しています

視標面の照度低下に伴い視力が下がります。視力をランドルト環の高さで表すと高齢者は明るさ変化の影響を大きく受けていることがわかります

計測方法 明るさ変化と生活視力
(H9-10 HQL 420人)
矯正と生活視力
(H10 NEDO 121人)
コントラスト変化と生活視力 視標の背景色とランドルト環の輝度コントラストを変化させたときの生活視力を示しています

輝度コントラストが小さくなると視力が低下します

色文字の読み取りは、それぞれの色の輝度コントラストに相当する灰色(黄は15%、赤、緑、青は55%)の読み取りに相当します

計測方法 背景色と文字コントラスト
(H8 NEDO 20人)
背景色と文字コントラスト
(H9-10 HQL 420人)
明→暗順応10秒間で読み取れる文字の濃さ 明所から暗所に入ったとき10秒間で読み取れるようになる文字の濃さを示しています

高齢者は若年者と比べて順応に時間がかかります

計測方法 暗順応
(H8 NEDO 20人)
暗順応
(H9-10 HQL 420人)
まぶしい光の影響 視野内の光により不快感を感じたり視覚の減退が出てくる現象をグレアと言います

目に入る光の角度により、まぶしい光の近くの文字が読めるかどうかを示しています

グレアは高齢者に非常に大きく現れます

計測方法 グレア
(H8 NEDO 20人)
グレア
(H9-10 HQL 420人)
違いがわかる色の差 赤、黄、緑、青で色相、明度、彩度の差がどの程度であれば違う色であることがわかるかを示しています

明度の差は明るさ変化や年齢の影響を受けにくく、色相や彩度は色によって、明るさや年齢の影響を受けやすくなっています

計測方法 色弁別
(H9-10 HQL 420人)
色の識別 赤、橙、黄、黄緑、緑、青緑、青、紫、灰色、黒色が暗いときに識別できるかどうか、間違えるとしたらどの色と間違えるかを示しています

暗くなると緑や青緑、青の混同が多くなり、年代が高くなると間違える人が多くなります

計測方法 色識別
(H10 NEDO 121人)
青と灰色の識別 青と灰色の識別がどの程度の差になればできるのかを示しています

照度が低下するにつれて高齢者は識別しにくくなります

計測方法 青と灰色の識別
(H10 NEDO 121人)
視野 中心を見ているときに、周辺のどのあたりまでの光がわかるかを示しています

高齢者は若年者と比べて上方が少し狭くなりました

視野
(H7 NEDO 20人)
日常生活の不具合点 日常生活に関するアンケートの中から視覚に関連した不具合点について概要を示しています 視覚に関連した日常生活の不具合点
(H9-10 HQL 420人)