高齢者対応基盤整備データベース

握りやすい太さ

■計測内容

手すりや取っ手などを利用するときにその使いこなしやすさを決定する要因として、しっかり握ることができるかどうかが重要になる。
握り易さとはその握り部分の太さや表面の状態等との密接な関係が見られる。この計測では特に、高齢者の居住環境や就労環境整備にとって有用になり得る握り部分の太さに注目する。

 

■計測機器

計測に使用した握りは、下記のとおりである。

・木製で薄いニス塗り仕上げ
・握りの太さは10mm~100mmまでの5mmピッチで計19個用意されている。

 

■計測条件

握り方 条件 種類
X握り
最も握りやすい太さ 体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上細くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上太くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
Y握り
最も握りやすい太さ 体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上細くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上太くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
Z握り
最も握りやすい太さ 体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上細くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手
これ以上太くなると
握りにくくなる太さ
体をあずけるような握り
持って動かす台車のハンドル・取っ手

 

■計測方法

測定手順

計測は、X握りの計測→Y握りの計測→Z握りの計測の順に行う。

〔体をあずけるような握り〕

(1) 10種類の握りを握り方に合わせて置く。

(2) X握り:「最も握りやすい太さ」「これ以上細くなると握りにくくなる太さ」「これ以上太くなると握りにくくなる太さ」を選んでもらう。

(3) Y握り:「最も握りやすい太さ」「これ以上細くなると握りにくくなる太さ」「これ以上太くなると握りにくくなる太さ」を選んでもらう。

(4) Z握り:「最も握りやすい太さ」「これ以上細くなると握りにくくなる太さ」「これ以上太くなると握りにくくなる太さ」を選んでもらう。

〔持って動かす台車のハンドル・取っ手〕

(1) 10種類の握りを握り方に合わせて置く。

(2) 「体をあずけるような握り」同様に計測を行う。

 

被験者への教示 

(1) この計測では、手すりやハンドルなど握りやすい太さを調べるために計測を行います。

(2) 立った状態での計測を行います。

 

■計測結果

計測年:2000年度

計測人数:

年代 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~ 合計
男性 9 14 9 12 30 27 8 109
女性 10 9 10 15 29 24 4 101
合計 19 23 19 27 59 51 12 210

 

結果のまとめ:

  • 握りやすい太さは30~40mm程度である。
  • これ以上太いと握りにくくなる太さについて、若年者に比べて高齢者は細い傾向がある。
  • 高齢者、例えば70代なら10mm以下或いは60mm以上の太さだと、握りにくくなることがわかる。

 

計測結果:

(1) 体をあずけるような握り(条件別の平均値)

X

Y

Z

【凡例】
-○-:これ以上太くなると握りにくくなる太さ
-△-:最も握りやすい太さ
-◇-:これ以上細くなると握りにくくなる太さ

 

(2) 持って動かす台車のハンドル・取っ手(条件別の平均値)

X

Y

Z

【凡例】
-○-:これ以上太くなると握りにくくなる太さ
-△-:最も握りやすい太さ
-◇-:これ以上細くなると握りにくくなる太さ

 

■報告書PDF

2000年度 高齢者対応基盤整備計画研究開発 第2編データベース整備(動態・視聴覚特性)より抜粋 p27-30,140-150,204-209,217-226

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