高齢者対応基盤整備データベース

隙間をまたぐ動作

■計測内容

日常生活では、電車に乗る場合に電車とホームの間に隙間があって、またぎ越すのが「怖い」と感じるようなことがあると思われる。また、生産場面においては、足場が悪く、隙間のある場所をまたいで越すような状況が多いと思われる。広すぎる隙間は危険を伴う場合もあり、移動動作の妨げとなるので、そのような状況は改善されなくてはならない。したがって、この計測ではまたぐ隙間の幅を変えて、どの程度の隙間から「怖さ」を感じ、またぐ際に「隙間が気になる」のかを調べた。

 

■計測機器

1) 踏み台(木製)
900mm(W)×900mm(D)×150mm(H)
床面の色=濃いグレー,台の色=薄いグレー

2) 隙間の間隔
25,50,75,100,125,150,175,200,225,250,275,300,325,350,375,400(mm) (全16種類)

 

■計測条件

1) 台と台の間の隙間を25mm~400mmに変え、評価を求める。

2) 「怖さ」に対する評価を行う。

1:怖くない
2:やや怖い
3:かなり怖い
4:非常に怖い

3) 「気になるかどうか」に対する評価を行う。

1:気にならない
2:やや気になる
3:かなり気になる
4:非常に気になる

 

■計測方法

測定手順

(1) 各条件について被験者ごとにランダムに実施するため、計測順序を予め決める。

(2) 被験者ごとにランダムに計測できるように、予め決めた順番にしたがって隙間の幅を調整する。

(3) 隙間をまたいでもらう。

(4) 「怖さ」,「隙間が気になるかどうか」について評価を聴取する。

 

被験者への教示 

(1) 電車の乗り降りをする際に電車とホームの間に隙間があり、それをまたぐ時に「怖い」と感じるような場合があると思います。

(2) この計測では、色々な幅の隙間をまたいでいただいて、「怖さ」と「隙間が気になるかどうか」について、感想をお聞きします。

(3) 実際には安全面を考慮して計測は低い高さで行いますが、駅のホームのような高さをイメージして感想をおっしゃってください。

 

■計測結果

計測年:2001年度

計測人数:

年代 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~ 合計
男性 6 9 8 11 30 21 10 95
女性 10 12 12 15 31 23 5 108
合計 16 21 20 26 61 44 15 203

 

結果のまとめ:

  • 計測結果(1)より、怖さに対する評価について、80代男女は250mm程度の広い隙間幅でも「怖くない」と申告する者が多く、逆に40~50代男性は200mm程度の隙間幅を「やや怖い」と申告する傾向が強かった。
  • また、「駅のホームのような高さをイメージしてください」と事前に教示したものの、実際には、安全を考慮して高さ150mmの台を用いて計測を行ったため、このイメージに基づいた動作の遂行に困難を感じた高齢者が多かった。これを裏付ける計測後のコメントとして、「もっと高さがあれば怖いかもしれないが、この高さなら怖くはない」という高齢者もいたように眼前に存在しない状況をイメージしにくい高齢者が多いようであった。
  • 計測結果(2)より、150mm前後の隙間幅から気になり始める者が多くなっている。

 

計測結果:

(1) 怖さに対する評価 年代別の比較

【縦軸:評価】
 1:怖くない
 2:やや怖い
 3:かなり怖い
 4:非常に怖い

 

(2) 隙間が気になるかどうかに対する評価 年代別の比較

【縦軸:評価】
 1:気にならない
 2:やや気になる
 3:かなり気になる
 4:非常に気になる

 

■報告書PDF

2001年度 高齢者対応基盤整備計画研究開発 第2編データベース整備(動態・視聴覚特性)より抜粋 p32-34,75-97

人間特性データベース・カテゴリー