高齢者対応基盤整備データベース

障害物をまたぐ動作

■計測内容

またぐ動作は、障害物の高さや幅によっては高齢者にとって非常に困難な動作となる。しかし、例えば浴槽をまたぐという動作は日常的に行われており、安全面からも適切な高さや幅について検討する必要があると思われる。そこで、この計測では浴槽をまたぐ場面を想定し、高さと幅を変えて負担感を調べた。

 

■計測機器

木製ブロック
下図参照 ↓ (幅・高さの組み合わせで全12種類)

 

■計測条件

・浴槽のまたぎを想定しているので、靴を脱いだ状態で計測を行う。
・計測条件および計測項目を以下に示す。

計測条件 計測項目 
高さ
50mm 350mm
375mm
400mm
障害物をまたぐ際の負担感について聴取する。
 1:楽にまたげる
 2:少し努力すればまたげる
 3:できるだけ努力すればまたげる
 4:またぐことができない
100mm
150mm
200mm

 

■計測方法

測定手順

(1) 被験者ごとにランダムな計測となるように、木製ブロックの高さと幅を変えて設置する。

(2) 一つ一つまたいでもらい、負担感について聴取する。

 

被験者への教示 

・この計測では、高さと幅の異なる障害物をまたいでいただき、またぐ時の負担感について調べます。 具体的なものとしては浴槽の縁をイメージしていただいたら良いと思います。

 

■計測結果

計測年:2001年度

計測人数:

年代 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~ 合計
男性 11 9 10 12 34 27 11 114
女性 12 12 12 16 32 28 5 117
合計 23 21 22 28 66 55 16 231

 

結果のまとめ:

  • 計測結果(1)より、高さ別で見ると、高さが高くなると負担が大きくなる。また、350mmの場合には幅が太くなっても負担感はほとんど増えないが、高さが400,450mmと高くなるにつれて幅の太さが負担感に影響を与えていることがわかる。
  • また、幅200mmのように広くなるとやはり負担感は大きくなるが、どちらかというと幅よりも高さの方が負担感に影響していると言える
  • なお、またぎの負担感については、年代による差は見られなかった。
  • 計測結果(2)より、幅別に見ると、幅が広くなると負担が大きくなるが、幅が50mmの狭い幅の場合でも、高さが450mmの場合には負担感がやや増えている。

 

計測結果:

(1) 負担感 : 障害物の高さ別

【縦軸:評価】
 1:楽にまたげる
 2:少し努力すればまたげる
 3:できるだけ努力すればまたげる
 4:またげない

 

(2) 負担感 : 障害物の幅別

【縦軸:評価】
 1:楽にまたげる
 2:少し努力すればまたげる
 3:できるだけ努力すればまたげる
 4:またげない

 

■報告書PDF

2001年度 高齢者対応基盤整備計画研究開発 第2編データベース整備(動態・視聴覚特性)より抜粋 p32-34,148-164

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