研究会活動

製造業のサービス化研究会(2025年度新設)

1.趣旨
アジア新興企業の台頭や、AI技術の急速な進展に伴い、製造業の指向も「顧客(B2B・B2C)への付加価値を高める製品性能の向上」から、「顧客(B2B・B2C)との価値共創を生み出しうる製品×サービスの開発」に切り替わってきています。このような製造業の価値提供の変化は「製造業のサービス化(Servitization)」、すなわち、製品に価値を込めて顧客に届けるという価値提供から、製品を使用する際に顧客とともに価値を生み出す価値共創(co-creation)への変化です。
サービス化には、製品にサービス(レンタル、リース、シェアを含む)を組み合わせることで、持続可能な循環型社会に繋げていくという理念が含まれています。その上で、製品を媒介にした使用情報の取得や、使用後の廃棄品のトレースなどにおけるIoTやDXの潮流は、サービス化の追い風となります。
しかしながら、製造業のサービス化は順調に進展しているわけではありません。急速な社会の変化にビジネスの変化が追いつかないという状況も少なくありません。企業やプロジェクトがサービス化に舵を切ろうとしても、社内・社外にさまざまな阻害要因があります。このようなサービス化の阻害要因には、製造業に共通する一般的なものが多いと認識しています。
そこで、この研究会では、製造業のサービス化の阻害要因を分析し、サービス化を推進する手法・技術・人材育成カリキュラムを整理して、サービス化の段階ごとに次の段階に進むための障壁と対策を取りまとめることを目的としています。

2. 主な活動内容
年間6回程度の研究会開催を予定しています。

(1)  日本の製造業2,000社調査・分析
北欧・日本のサービス化動向の比較分析結果報告

(2)  サービス化推進の阻害要因解決につながる教育講演・ワークショップ

(3)  招待講演
製造業のサービス化を実践している企業の事例報告
製造業のサービス化に関わる研究者による講演

(4)  企業訪問
サービス業で、顧客との価値共創を実践している企業の見学
製造業で、顧客との価値共創を見据えたサービス化を実践している企業の見学

(主査 産業技術総合研究所 フェロー 持丸 正明)
(主査 明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 専任教授 戸谷 圭子)

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